「円筒の空/羊たちの雲」

PrologueWaveの新作です。
http://prologuewave.com/archives/4970
楽しんでいただければそれでよいのですが、今回はちょっとした背景を。

普段、あまりエッセイは読まない/手が回らないんですが、たまたま伊坂幸太觔さんの「3652」を読んでいて、干支エッセイのネタだしに苦労されている話があり、ショートショートのアイデア出しも同じだなぁ、と思った訳です。
で、干支エッセイがありなら、干支ショートショートがあってもいいかも、というところから、この話ができました。
とはいえ、羊だけならまだしも、同じ干支に出てくる犬も出しちゃいましたので、干支ショートショートとしては、今ひとつだったかも。

「こちら公園管理係」シリーズ6「さよならガンさん」

ガンさんに女性の訪問者があった直後、ガンさんが消えた。中瀬川市に起きた数々の怪事件の謎が解き明かされる。

公園管理係の田野神くんとホームレスのガンさんが解決してきた中瀬川市の怪現象の数々。ガンさんに女性の訪問者があった時から、怪現象の原因とガンさんの正体が解き明かされていく。

ということで、シリーズ完結編です。

もともと、ゴミから発想された奇妙な怪物(ゴミクリーチャー)にストーリーを付けていく形で始まった競作ですが、「九十九神曼荼羅」となって、ゴミ縛りが外れ、「夢幻∞シリーズ」で九十九神縛りも外れて、自由に小説を書ける舞台となったこともあり、シリーズ完結となりました。
もともと、SFとして書きはじめたわけではないのですが、最終回においては、ある意味SF的な結末になっているのが、まあ、性ですね(笑)。
「こちら公園管理係シリーズ」の一連の作品は、「砂場の王」で始まっていますが、「さよならガンさん」は「砂漠の王」に呼応した形での完結になっています。

http://ebook.shogakukan.co.jp/detail.php?bc=09D023710000d0000000

「こちら公園管理係シリーズ」は、これでひとまずの完結を見ておりますが、次の「夢幻∞シリーズ」の作品も鋭意構想中です。ガチなSFにはなるかならないかは、まだ未定ではありますが、いずれまた。

「こちら公園管理係」シリーズ5 「炎の記憶」

公園のふれあい広場に奇怪な火の手があがった。公園係・田野神は震えあがる。相棒ガンさんの様子もいつもと違うのだ。

焚き火の不始末のつもりが、目撃したのは大きな炎の柱だった。消火器とスコップで奮闘するも、やがて炎に取り囲まれた二人は・・・。前「九十九神曼荼羅シリーズ」から続く、公園管理係・田野神くんとホームレス出身のガンさんが、いつも不思議なトラブルと格闘する「こちら公園管理係」シリーズ第5話は、「炎の記憶」。

と言うことで、小学館eBooksから新作です。
九十九神曼荼羅シリーズとして発表していたガンさんと田野神君のシリーズ新作です。このたび、「夢幻∞シリーズ」として「九十九神曼荼羅シリーズ」の「九十九神」縛りがない形になったのですが、まずは続きを書きましょう、ということで、このような形になりました。また、これを機に、今までシリーズ名も無かったので、「こちら公園管理係シリーズ」となっています。
小学館さんのeBooksでは、今まで「ヒア・アイ・アム」をはじめとし、「砂場の王」、「空へ」、「フェンスの向こう」、「海から来た怪獣」と五作が出ており、九十九神としては6作目になりますが、ガンさんや田野神君の出てこない「ヒア・アイ・アム」は、「こちら公園管理係シリーズ」ではないので、「こちら・・・」としては、本作でシリーズ五作目になっております。
価格が今回から変わっていますが、ご容赦ください。

http://ebook.shogakukan.co.jp/detail.php?bc=09D023020000d0000000&gid=1000


2015年 新年明けましておめでとうぞざいます。

新年、明けましておめでとうございます。
年明け早々風邪を引いたりして、ついご挨拶が遅れてしまいました。

いつものことですが、2014年はあっという間に過去になり、2015年が始まりました。未来であったはずの21世紀も、随分長く過ごした感があります。

2014年は、SF作家としては、残念ながら低調な活動実績に終わってしまいました。なかなか商業誌への発表の場もなく、PrologueWaveでのエクリプスフェイズ企画、「ザイオンズ・チケット・トゥ・マーズ」、独立作の「オッドアイのクロ」と言ったところが発表した作品になりますので、デビュー後の活動実績としては寂しい感じです。一方で、小学館の電子出版企画の九十九神曼荼羅シリーズの新作の準備が終わっていますので、近々刊行できるかと思います。紙の本の出版に関しては苦戦をしていますが、PrologueWaveから本になった田丸雅智さんの例もありますので、地道に実績を重ねていこうと思っています。

また、作家クラブの関係では、日本SF大賞に関係して大きな事件がありましたが、これが、会の透明性の向上や運営体制の強化につながればよいと思っております。

毎度ですが、2015年のSFを盛り上げていけるよう、微力ながらも頑張ろうと思っていますので、今年もよろしくお願いいたします。

候補作確定しました。

すでに、公式にアナウンスされていますが、日本SF大賞の候補作が確定しました。候補作は以下の5作品です。
『オービタル・クラウド藤井太洋早川書房・2014/2/21刊)
『北の想像力《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』岡和田晃編(寿郎社・2014/6/10刊)
『誰に見しょとて』菅浩江早川書房・2013/10/25刊)
『星を創る者たち』谷甲州河出書房新社・2013/9/26刊)
『My Humanity』長谷敏司早川書房・2014/2/21刊)
(題名・五十音順)
藤井さんと、長谷さんは、二年連続の最終候補。谷甲州さんと菅浩江さんに、評論から岡和田さんというラインアップから、今年もまた日本SFが豊作だったことが伺えます。

第35回日本SF大賞エントリー

エントリーが出そろって、次は作家クラブ会員による投票である。僕のようなさほど実績のない会員であっても、投票できるのはうれしい一方、結構しびれる部分もないわけではない。自信を持って投票をしたいから、山ほどある未読の作品を、取捨選択しつつ目を通さなければと思う。

今回、特に難しいのは、某ドラマ作品で、DVDが出てはいるけれど、入手しようと思うと、それなりの値段が張るし、レンタルで見るにも、まとまった時間がいる。
推薦コメントを見ると、多くの人に訴えかけるもののあった作品のようだけど。

小説を書く側からすると、小説が賞をもらった方がいいので、ハンデがついてしまっているなぁ、というのが率直な感想。

小説について言えば、昨年に引き続き、今年もいい作品が多い。


http://sfwj.jp/awards/Nihon-SF-Taisho-Award/35/entries.html


推薦コメントを読むと、ファンと作家のコミュニケーションとしても、とても良い仕組みに思える。