パート3 あるいは、エクリプスフェイズを書くこと

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ということで、パート3。
タイトルからしてバレバレではあるけれど、今回を持ってザイオンは金星を離れる。火星に向かったザイオン(とカザロフ)がこれからどうなるか……は、まだ考えていない。
いずれにせよ、金星編には、ちょっと一区切りをつけたかった。
もともと、このシリーズの主人公であるザイオンは、岡和田さんたちとプレイをした時に作ったキャラクターで、キャラクター造形の部分だけを膨らまして小説にしたモノだった。そのため、まだ、エクリプスフェイズの世界のおいしいところがいろいろと未使用なまま残っている。
エクリプスフェイズは太陽系を舞台にしたゲームであり、太陽系内の他の惑星や、大きな謎であるティターンズの行方、太陽系外とのゲートなどの大道具、ファイヤーウォールと言った組織が、いわば手つかずのままだ。これらは小説を書く上でのリソースであり、使わないのはもったいない。
自作の小説では、設定とストーリーを一体のものとして作っていく。それだから、まったく使われない設定はない。逆に、使われない設定の存在は、失敗を意味する。多分、設定をフルに使いこなしたいと思うのは、本能なのだろう。
ザイオンを書くのは、自分が作ったのではない世界のルールに合わせなければいけないという点で、一つのチャレンジだった。とりあえず、エクリプスフェイズの世界観である「心はソフトウェア。プログラムせよ。肉体は入れ物に過ぎない。交換せよ。死は単なる病気だ。治療せよ。絶滅の危機が近付いている。立ち向かえ。」のうち、半分くらいは使いこなせたかと思っている。


エクリプスフェイズの世界は広く、未踏の地が残っている。ザイオンたちは、無事に火星に着くことができるのか。多分、次のストーリーはそのあたりから始まりそうな気がする。