樹環惑星と・・・

ある意味ネタバレではあるが、今となっては誰も気にしないと思うので書いてしまうと、拙作「樹環惑星」は、近々発効することになった生物多様性条約名古屋議定書に規定される生物資源へのアクセスと利益配分の問題(Access and Benefit Sharing)を扱っている小説なのでした。
言ってみれば悪役に当たるアストラジェニック社が、惑星オパリアの生物資源を使って、巨額の利益を生んでいるにもかかわらず、自治政府には利益が十分に還元されないという構図は、名古屋議定書が扱う課題そのものなのである。
小説においては、生物資源の価値に関する情報が非対称であったことによって、ある種の搾取が生じているのだけれど、現実では、その問題をどう解決するのだろうか、と言ったことを、議定書が10月にも発効しそうだというニュースを見て考えた。

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